シェルティは吠えやすい?よく吠える理由とチャイム・散歩・留守番の対策
「シェルティは吠えやすいと聞くけれど、本当?」「来客のチャイムで吠える」「窓の外の人を見るたびに声を出す」。シェットランド・シープドッグ(シェルティ)と暮らす人や、これから迎えたい人にとって、吠え声は気になるテーマです。
シェルティには周囲の変化に気づきやすく、声を出して知らせる傾向があります。 しかし、すべてのシェルティが同じ頻度で吠えるわけではなく、吠えるきっかけも一頭ずつ異なります。犬はうれしいときにも、不安なときにも、何かを求めるときにも吠えることがあります。
大切なのは、いきなり「吠えないようにする」ことではなく、いつ・何を見聞きして・どんな様子で吠えるのかを観察すること。理由に合わせて生活環境を調整し、落ち着ける行動を少しずつ教える方が、飼い主にも犬にも負担が少なくなります。
この記事では、JKCの犬種標準、獣医師による行動解説、動物福祉団体の資料をもとに、シェルティの吠える傾向と具体的な対応を整理します。
※掲載写真はAI生成の説明用イメージで、運営者の飼育犬の実際の行動記録ではありません。

結論|シェルティは声が出やすい傾向があるが、原因は一つではない
ジャパンケネルクラブ(JKC)の犬種標準は、シェルティを「機敏」「活動的」で、見知らぬ人には打ち解けにくいことがある犬種と説明しています。アメリカンケネルクラブ(AKC)の犬種紹介でも、シェルティは声を出す傾向がある犬種として扱われています。
ただし、これらは犬種の一般的な説明であり、「一日に何回吠える」「必ず無駄吠えする」といった個体ごとの予測ではありません。年齢・性格・育った経験・住環境・健康状態によっても、吠えの出方は変わります。
吠えたときは、まず次の4点を確認しましょう。
刺激: インターホン、車、外を歩く人、犬、物音など何に反応したか
場面: 玄関、窓際、散歩、留守番、遊びの前などいつ起きたか
体の様子: 体が硬いか、後ずさるか、しっぽや耳はどう動いていたか
結果: 刺激が遠ざかると止まるか、飼い主が近づくと続くか、落ち着くのに時間がかかるか
「吠える=悪い犬」と考えず、その声が何をきっかけに出ているかを探すところから始めます。
シェルティが吠えやすいと言われるのはなぜ?
牧羊犬としての歴史と周囲への反応
シェルティはシェットランド諸島に由来する牧羊犬です。周囲の変化に注意を向け、人との共同作業を行ってきた犬種として知られています。
JKCの犬種標準では、機敏で知的、活動的で、飼い主に愛情深く反応する一方、見知らぬ人には打ち解けにくいことがあると説明されています。
こうした特徴は、訪問者や物音への敏感さを考える手がかりになりますが、「牧羊犬だから必ず吠える」「吠えることはしつけの失敗」という意味ではありません。
犬の吠え声はコミュニケーションの一つ
ASPCAとVCA Animal Hospitalsは、犬が吠える理由として警戒、興奮、注目を求める行動、不安、欲求不満、社会的な反応などを挙げています。
同じ大きさの声であっても、玄関のチャイムへの反応と、散歩に出たくて飼い主に向ける声では、必要な対応が異なる場合があります。
「声を出す理由を特定し、その原因に働きかける」という考え方が基本です。
まず原因を分ける|吠える場面別の観察表
吠える場面 | 考えられるきっかけ | 最初に見直すこと |
インターホンが鳴る | 予期しない音、訪問者への警戒や興奮 | 音量、玄関から離れた落ち着ける場所 |
窓の外の人や車 | 動くものへの警戒・刺激の多さ | 窓から見える範囲、休憩場所 |
散歩中に犬や人を見る | 怖さ、興奮、近づきたさ、距離が近すぎること | 相手との距離、逃げられる道 |
遊びや食事の前 | 期待、注目や要求 | 静かに待つ行動を教えられるか |
留守番中 | 物音、退屈、不安、ひとりの苦痛 | 留守番前後の様子、可能なら安全に録画 |
ほかの犬の吠え声 | 声への反応、興奮 | 音源、静かな部屋、落ち着ける行動 |
突然増えた・夜中も続く | 痛み、病気、環境変化など | 体調、年齢、発症時期、獣医師への相談 |
表は診断ではなく観察の出発点です。 同じ場面でも別の理由が隠れていることがあるので、一つの原因に決めつけないようにしましょう。
吠える理由を探す「3日間の観察メモ」
何となく「いつも吠えている」と感じる場合は、3日ほど短いメモを残すと、繰り返すパターンが見えやすくなります。3日で必ず原因が分かるわけではありませんが、相談時の記録としても役立ちます。
記録するのは次の5項目です。
時刻と場所: 例「夕方、リビングの窓」
直前の出来事: 例「外を人が通った」
犬の様子: 例「窓に近づき、体が少し硬く見えた」
どのくらい続いたか: おおまかな時間と回数
その後どうなったか: 例「カーテンを閉め、別室へ移ったら休んだ」
上の例は記録方法の説明用であり、運営者の愛犬で実際に起きた出来事ではありません。
「声の大きさ」だけでなく、犬が落ち着けた時間や、刺激の少ない環境でどう変わったかも記録すると、改善を判断しやすくなります。
対策1|チャイムや来客に吠える場合
いきなり本番の来客で練習しない
チャイム音を聞くだけで興奮する犬に、来客がある瞬間から「静かにして」と何度も声をかけても、難しいことがあります。
動物福祉団体Blue Crossは、チャイムのような音に対して小さい音から徐々に慣らし、落ち着いた行動を報酬で強める方法を案内しています。
やり方の基本4ステップ
① チャイムが鳴らないときに、マットへ移動する練習をする。 犬が自然にマットへ向かったら褒め、落ち着ける場所で小さなごほうびを与えます。
② 実際の音よりずっと小さな音から試す。 録音したチャイム音を使う場合も、犬が落ち着いていられるごく弱い刺激から始めます。音を怖がるなら練習を中止します。
③ 音のあとに落ち着いた行動ができたら褒める。 吠えないことだけを監視するより、「マットに戻る」「飼い主を見る」など、犬ができる行動を明確にします。
④ 無理なくできる場合のみ少しずつ難しくする。 大きな音や突然の来客へ一気に進めず、実際の来客時は安全な距離と休息を優先します。

練習中に強く吠える、逃げる、固まる場合は刺激が強すぎる可能性があります。音を繰り返し鳴らして無理に慣れさせる方法は避けてください。 不安が強い場合は獣医師や行動の専門家に相談しましょう。
対策2|窓の外の人・車・犬に吠える場合
窓の外を通る人や犬をずっと見られる環境では、刺激に反応する機会が何度も生まれます。
ASPCAは、警戒による吠えに対し、外の人や動物が見える範囲を調整し、別の落ち着いた行動を教えることを提案しています。
家庭で試せる例は次のとおりです。
外が見える窓の下半分に目隠しを使う
犬のベッドを、通行人が見え続けない位置に移す
カーテンを閉めて落ち着いて休める時間をつくる
窓辺ではなく別の場所で遊びや知育玩具を楽しめるようにする
目隠しや家具を変える目的は、犬を罰することではなく、刺激を減らすことです。
ただし、何も見えない閉鎖的な環境にずっと閉じ込めるという意味ではありません。日常の散歩や遊び、家族との交流など、必要な活動も続けましょう。
対策3|散歩でほかの犬や人に吠える場合
散歩中の吠えは、相手に近づきたい興奮から起こる場合もあれば、怖くて距離を取りたい反応の場合もあります。吠える=攻撃的と決めつけることはできません。
最初に行いたいのは、犬が反応しにくい距離を見つけることです。
犬や人が少ない時間帯・道を選ぶ
苦手な相手が見えたら、犬の反応を見ながら距離を広げる
まだ落ち着いていられる距離で、飼い主を見るなどの行動を褒める
近づくほど吠えるなら、近づけ続けず方向を変える
リードを強く引っ張ったり、怖がる犬を相手に無理に会わせたりするのは避けましょう。
犬の体が硬くなる、後ずさりする、食べ物を受け取れなくなるなどの様子があれば、刺激が強すぎる可能性があります。安全を優先して距離を取りましょう。
対策4|「遊んで」「ごはん」など要求するときに吠える場合
飼い主に注意を向けてもらいたい、早く遊びたいといった理由で声を出す犬もいます。
この場合、吠えている最中に毎回遊び始めると、吠えることで望みがかなうと学習する場合があります。
ただし、要求吠えだと思って水・食事・トイレ・体調不良などの必要な訴えまで無視することは避けてください。
基本は、犬の必要を満たしたうえで「お座り」「マットで待つ」など、落ち着いてできる別の行動を教え、その行動に報酬を与えることです。
大切なのは「吠えたら何もしてあげない」という一律の対応ではなく、犬が安心して自分の必要を伝えられる仕組みをつくることです。
対策5|留守番中に吠える場合
留守番中の吠えには、外の物音に反応する場合、退屈で落ち着かない場合、飼い主と離れることへの強い苦痛など、異なる理由があります。
家族が家にいるときは静かでも、ひとりになると長く吠えることがあります。可能なら、安全な範囲で留守番開始後の短い時間を録画し、いつどのような様子で始まるか確認しましょう。
次のような行動が一緒に見られる場合は注意が必要です。
飼い主が出かけた直後から激しく吠える
落ち着かず歩き回る、出口を掻く、物を壊す
よだれ・排泄など、強い苦痛が疑われる変化がある
長時間経っても休めない
ASPCAやVCAは、こうした場合に分離に関係する不安などが背景にある可能性を説明しています。単純な「退屈」や「しつけ不足」と決めつけず、獣医師に相談してください。
留守番中の行動を録画する場合も、他人の映り込みや家庭内のプライバシーに配慮しましょう。
叱る・大声を出す・吠え防止首輪を使うのは?
吠えを止めたいときに、大声で叱る、驚かせる、痛みや不快感を与える器具を使うことを考えるかもしれません。
しかし、吠えの背景に怖さや不安がある場合、罰によって犬の不安を強める可能性があります。
米国獣医行動学会(AVSAB)は、犬のトレーニングや行動上の問題への対応において、報酬を使う方法を推奨し、不快な刺激を与える方法を支持していません。
この記事でも、吠えを強制的に止める器具やショックを与える方法ではなく、刺激の調整、休める環境、落ち着いた行動を教える方法を基本とします。
目標は「犬を一切吠えさせない」ことではなく、必要以上に興奮し続けず、家族と安心して暮らせる状態をつくることです。
運動と遊びを増やせば吠えなくなる?
散歩や遊び、においを嗅ぐ活動、頭を使うゲームは、犬の生活を充実させる助けになります。活動と休息のバランスを整えることは大切です。
一方で、吠える原因が怖さ・来客への警戒・分離の苦痛などの場合、運動量を増やすだけですべて解決するとは限りません。
活動的なシェルティでも、運動後に落ち着いて休める場所と時間を用意しましょう。
遊びで興奮を高め続けるのではなく、においを探す簡単な遊びや、静かに噛める安全なおもちゃなど、犬が落ち着きやすい活動を取り入れる方法もあります。
近所への配慮|住宅やマンションで暮らす場合
集合住宅や住宅が近い場所では、吠え声が気になる場面もあるでしょう。
飼い主ができることとして、窓・玄関からの音と視線を調整する、犬が落ち着いて過ごせる場所をつくる、留守番中の状況を把握するなどが挙げられます。
ただし、遮音用品を導入すれば必ず解決するわけではありません。犬自身が何に反応しているかを確認しながら、無理のない対応を選びましょう。
家族で「誰がチャイムに対応するか」「犬をどこで休ませるか」「静かな行動をどう褒めるか」を共有すると、対応が毎回変わりにくくなります。
突然吠えが増えたら?獣医師へ相談したいサイン
今まで静かだった犬が突然よく吠えるようになった場合は、環境の変化だけでなく、痛み・不快感・病気なども確認する必要があります。
VCAの獣医師による解説でも、特に高齢犬では医学的な問題が発声の変化に関係することがあると説明されています。
以下のような様子があれば、しつけだけで対応しようとせず動物病院へ相談してください。
吠え方や回数が急に大きく変わった
触られると嫌がる、痛がる、歩き方が変わった
夜間の落ち着きのなさや混乱が目立つ
留守番中に強い苦痛や破壊行動がある
体調や食欲など、ほかの変化を伴う
危険な咬みつきの可能性や犬自身の強い苦痛がある場合は、獣医師を通じて行動診療に詳しい専門家の支援を検討しましょう。

よくある質問
Q.シェルティはほかの犬種より必ず吠えますか?
JKCは機敏で活動的な特徴を示し、AKCも声を出す傾向を紹介しています。ただし、犬種だけで個々の犬の吠える回数を予測することはできません。
Q.シェルティの吠えを完全になくすことはできますか?
吠えることは犬の自然なコミュニケーションの一つです。完全にゼロにすることを目標にするのではなく、理由を把握し、犬と家族の負担を減らしていくことが現実的です。
Q.チャイムが鳴ると吠えます。すぐにできる対策は?
まず玄関や音源から離れた落ち着ける場所を確保し、チャイムが鳴らないときに「マットへ行く」などの行動を教えます。怖がる場合は音を繰り返し聞かせず、専門家に相談してください。
Q.吠えたら無視すればよいですか?
理由によります。要求による行動が強化されている場合と、怖さ・痛み・強い不安を伝えている場合では対応が異なります。犬の必要や健康状態を確かめず、一律に無視しないでください。
Q.散歩中に犬を見て吠えるのは攻撃性ですか?
吠えだけで攻撃性とは判断できません。怖さ、興奮、距離の近さなど、さまざまな要因があります。まず安全な距離を取り、犬の体全体の様子を観察しましょう。
Q.子犬のころから対策できますか?
子犬が無理なくさまざまな音・人・環境に慣れる機会をつくることは役立ちます。ただし、感染症リスクや子犬の反応にも配慮し、無理に刺激を与え続けないことが大切です。
Q.吠え防止首輪は使った方がいいですか?
痛みや強い不快感を与える器具は、犬の不安を強めるおそれがあります。AVSABは報酬に基づく方法を推奨しており、この記事でも環境調整と落ち着く行動の練習を基本とします。
まとめ|「よく吠える犬」と決めつけず、理由を見つけよう
シェルティは周囲の変化に気づきやすく、声を出す傾向がある犬種ですが、すべての犬が同じように吠えるわけではありません。
チャイム、窓の外、散歩、留守番など、吠える場面ごとにきっかけを分けて観察することが大切です。
まず刺激を減らし、安全に休める環境を整え、落ち着いた行動を褒めて少しずつ練習しましょう。吠え方が突然変わったときや、犬が強く苦しんでいるときは動物病院で確認してください。
犬の気持ちを理解するためには、声だけでなく耳・目線・しっぽ・体の姿勢を一緒に観察することも役立ちます。関連記事「犬の気持ちはどう読み取る?」も参考にしてください。
参考資料
一般社団法人ジャパンケネルクラブ「シェットランド・シープドッグ」https://www.jkc.or.jp/breeds/shetland-sheepdog/
American Kennel Club「Shetland Sheepdog」https://www.akc.org/dog-breeds/shetland-sheepdog/
ASPCA「Barking」https://www.aspca.org/pet-care/dog-care/common-dog-behavior-issues/barking
VCA Animal Hospitals「Barking in Dogs」https://vcahospitals.com/know-your-pet/barking
Blue Cross「How to stop your dog barking」https://www.bluecross.org.uk/advice/dog/behaviour-and-training/how-to-stop-a-dog-from-barking
American Veterinary Society of Animal Behavior「Humane Dog Training Position Statement」https://avsab.org/resources/position-statements/








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