シェルティの抜け毛は多い?ダブルコート・換毛期・掃除と手入れのコツ
シェルティ(シェットランド・シープドッグ)と暮らしていると、床や服に付いた毛が気になることがあります。これから迎えたい人なら、「あのふわふわした毛は、どれくらい抜けるの?」という疑問もあるでしょう。
結論からいうと、シェルティは抜け毛が多い傾向のある犬種です。 アメリカンケネルクラブ(AKC)は、年間を通して抜け毛があり、特に抜け方が強まる時期もあると説明しています。
ただし、「何月に必ず大量に抜ける」「一日に何グラム抜ける」とすべての犬に共通する数字は示されていません。被毛の量や暮らす環境、個体によっても差があります。
この記事では、シェルティの毛が抜けやすい理由、換毛期の考え方、ブラッシング、室内の掃除、動物病院へ相談したい変化まで、公式の犬種・獣医資料をもとに整理します。

まず結論|抜け毛は多め。週1回のブラッシングを基本に、換毛期は調整
シェルティは毛が抜けない犬種ではありません。毛の量が多く、外側の長い毛と内側の密な毛を持つダブルコートの犬種です。
AKCのシェルティ犬種紹介では、週1回のブラッシングを基本とし、抜け毛が増える時期にはより頻繁にケアすることが勧められています。
気になること | 目安と考え方 |
抜け毛の量 | 年間を通じて抜け毛があり、増える時期もある |
換毛期 | 季節による変化があるが、時期・程度には個体差がある |
ブラッシング | 週1回を基本の目安に、毛量や毛玉の状態に合わせて調整 |
毛玉の注意部位 | 耳の後ろ・前脚のわき(ひじ周辺)・しっぽの下 |
室内の毛 | 床だけでなく、寝床・布製品・衣服にも付く |
注意したい変化 | 円形や局所的な脱毛、皮膚の赤み、強いかゆみなど |
毛を完全になくそうとするより、抜ける毛を無理なく取り除き、毛玉や皮膚の変化を早めに見つけ、掃除を習慣にすることが現実的です。
なぜシェルティは毛が抜けやすい?ダブルコートのしくみ
外側の「オーバーコート」と内側の「アンダーコート」
ジャパンケネルクラブ(JKC)は、シェルティの犬種の特徴として、豊かな被毛や首まわりのメーン、フリルを挙げています。
またAKCは、シェルティの被毛について、外側の長くまっすぐな毛と、内側の短く密生した毛の二層からなると説明しています。
オーバーコート(上毛): 外側に見える比較的長くしっかりした毛。皮膚を外部環境から守る働きがある。
アンダーコート(下毛): 内側に生える短く柔らかい毛。密度が高く、保温などの役割がある。
犬の毛は自然に生え替わります。特にアンダーコートは、季節的な毛の生え替わりで大量に抜けることがあります。
表面の毛が整って見えても、内側に抜けた毛が残っている場合があるため、長い毛の表面だけを軽くなでて終わらせないことが大切です。

首まわりの毛が豊かなぶん、見た目にもボリュームがある
シェルティの胸元や首のまわりは、豊かな毛が目立つ部分です。
同じ「一度ブラッシングした」という場合でも、毛の量・長さ・密度によって、ブラシに集まる毛の見え方は変わります。
そのため、抜けた毛の塊の大きさだけで健康状態を判断することはできません。
換毛期はいつ?春と秋だけ抜けるの?
ダブルコートの犬では、季節の変わり目に下毛が多く抜けることがあります。一般に春と秋の換毛が知られていますが、犬ごとに抜け方の時期や程度は異なります。
AKCも、シェルティについて年間を通じた抜け毛と、年に1~2回ほど特に目立つ換毛を説明しています。
ただし、すべてのシェルティが同じ月に同じ量だけ抜けるわけではありません。
室内で過ごす時間、気温や日照などの生活環境、年齢、個体の被毛の状態も考慮しましょう。特定の月だけを「絶対に換毛期」と決めつけないことが重要です。
抜け毛が増えたとき、どう記録すればいい?
日頃から、ブラッシング後の毛の量や、室内に毛が目立つ場所を写真や短いメモで残しておく方法があります。
例えば、「先週よりブラシに毛が付きやすい」「耳の後ろが絡まりやすい」といった程度でも十分です。
記録は病気を判定するためではなく、愛犬の普段の状態を知り、いつもと違う変化に気付きやすくするためのものです。
毛玉になりやすい場所は?特に気を付けたい3か所
AKCのシェルティ向けガイドでは、毛が絡まりやすい場所として、耳の後ろ、前脚のひじの下、しっぽの下の飾り毛が挙げられています。
1. 耳の後ろ
柔らかい毛が重なりやすく、見た目では小さな絡まりに気付きにくい場所です。耳を強く引っ張らず、毛を少しずつ分けて確認します。
2. 前脚のわき・ひじの周辺
歩くときに体と脚が動くため、毛が擦れて絡まることがあります。皮膚が薄い部分もあるので、ブラシを強く押し付けないようにしましょう。
3. しっぽの下の飾り毛
毛が長く重なりやすい場所です。汚れや絡まりがないかを無理のない範囲で確認します。
毛玉を力任せに引きちぎったり、皮膚に近い部分をはさみで切ったりすることは避けてください。 固く絡んだ毛玉や嫌がる場所のケアは、獣医師やトリマーに相談しましょう。

ブラッシングは週に何回?道具とやり方
AKCは、シェルティでは週1回のブラッシングを基本とし、換毛期には回数を増やすことを勧めています。
ただし、これはすべての犬の絶対的なノルマではありません。毛玉ができやすい犬や換毛が進んでいる時期は短いケアをこまめに行い、犬が嫌がるなら時間を短くするなど、状態に合わせて調整します。
ブラシはどれを使う?
道具の種類 | 役割の例 | 注意したいこと |
スリッカーブラシ | 抜けた毛や表面の絡まりを少しずつ整える | 強く押さず、皮膚を傷つけない |
金属製コーム | 毛を分けたあと、奥に絡まりが残っていないか確認する | 引っ掛かる場合は無理に引かない |
アンダーコート用の道具 | 内側の抜けた毛を取り除く補助 | 毛を取り過ぎないよう、犬種・被毛に合うものを選ぶ |
AKCも、ダブルコートでは上毛だけでなく下毛までケアすることを勧めています。
ブラシの名称が同じでも、ピンの硬さや長さには違いがあります。迷ったときは愛犬の被毛を見てもらい、トリマーに道具を選んでもらうと安心です。
無理なく進める4つの手順
落ち着いている時間を選ぶ。 犬が休みたいときや嫌がるときには無理に始めない。
毛を少しずつ分ける。 表面だけでなく内側にも抜け毛や絡まりがないか確認する。
引っ掛かったら止める。 力で引かず、細かい絡まりは丁寧にほぐす。難しい毛玉は専門家に相談する。
終わったら皮膚も見る。 赤み、湿り気、傷、かゆがる様子がないかチェックする。
長時間かけて一度に全部終わらせる必要はありません。少しずつ慣らし、落ち着いて受け入れられる時間を積み重ねましょう。
夏はサマーカットした方が涼しい?
シェルティのようなダブルコートの犬について、AKCは抜け毛対策や暑さ対策だけを目的に全身を短く刈ることを一般には勧めていません。
被毛は寒さだけでなく、日差しや外部環境から皮膚を守る働きもあります。全身を短く刈ると、皮膚が日差しにさらされやすくなったり、毛の生え方に影響する可能性があります。
ただし、手術などの医療上の理由や、ひどく絡んだ毛玉を安全に取り除く必要がある場合は別です。個々の状態に応じて獣医師やトリマーが判断します。
暑さへの対策は、涼しい室内、飲み水、日陰、暑い時間帯の活動を避けることなどを優先しましょう。
シャンプーは頻繁にした方が抜け毛が減る?
入浴やシャンプーは、汚れや抜けた毛を洗い流す助けになりますが、頻繁に洗えば換毛が止まるわけではありません。
AKCはシェルティの入浴は時々でよいと案内しています。必要な頻度は、汚れや皮膚の状態、生活環境によって異なります。
洗い残しや乾かし残しがないよう、犬に合う製品と方法を使いましょう。皮膚に問題がある場合は、シャンプーの種類や頻度も獣医師に相談してください。
部屋の抜け毛対策|「どこにたまるか」を先に決める
ブラッシングをしていても、室内の毛を完全になくすことは難しいものです。
掃除を楽にするには、家のどこに毛がたまりやすいかを把握し、毎回家全体を完璧に掃除するより、毛の集まる場所から手を付ける方法が続けやすくなります。
床:毛が舞い上がる前に集める
床材に合った掃除機やフロア用の掃除用品を使い、犬がよく通る場所から掃除します。
掃除機の音を嫌がる犬なら、別の部屋で休めるようにするなど、犬が落ち着ける環境も考えましょう。
寝床・ソファ:布製品は洗えるかを確認
毛が付きやすいベッドやブランケットは、洗濯表示に従って洗います。洗えるカバーを使うことも選択肢です。
洗濯機に毛が大量に付く場合は、洗濯前に表面の毛を取り除くなど、洗濯機の取扱説明書に従って管理してください。
服:外出前に短時間で確認する
服やバッグに付いた毛は、素材に合う粘着クリーナーや衣類用ブラシなどで落とせます。
粘着力が強すぎるものは生地を傷める場合があるため、目立たない部分で確認しましょう。
多頭飼いでは、どの犬の抜け毛か決めつけない
複数の犬と暮らす家庭では、床に落ちた毛の色や量だけで、どちらの犬がどれだけ抜けたかを正確に判断できないことがあります。
毛量の変化が気になるときは、犬ごとのブラッシングや皮膚の状態を観察する方が役立ちます。

抜け毛が急に増えたら?動物病院へ相談したいサイン
換毛によって毛が多く抜ける場合と、皮膚・体調の問題で毛が抜ける場合は、区別して考える必要があります。
VCA Animal Hospitalsの獣医療情報では、被毛や皮膚の変化が健康上の問題を示す場合があると説明されています。
特に、次のような様子がある場合は、いつもの換毛と決めつけないようにしましょう。
一部分だけ毛が抜け、地肌が目立つ
皮膚に赤み・かさぶた・湿り気などがある
強いかゆみや、繰り返し同じ場所をなめる・かく行動がある
抜け毛だけでなく、食欲や元気にも変化がある
急激に被毛が薄くなり、その状態が続く
かゆみや脱毛の原因には複数の可能性があり、写真や抜け毛の量だけでは判断できません。獣医師に相談し、必要な検査や対応を受けてください。
よくある質問
Q. シェルティは毎日毛が抜けますか?
年間を通して抜け毛が見られる犬種です。ただし、その日の量や目立ち方は個体や時期によって異なります。毎日必ず同じ量が抜けるわけではありません。
Q. 換毛期は春と秋の2回だけですか?
季節の変わり目に目立つことがありますが、年間を通して抜け毛はあります。時期や回数、程度には差があるため、愛犬の普段の抜け方を観察しましょう。
Q. ブラッシングは毎日必要ですか?
AKCは週1回を基本の目安とし、換毛期はより頻繁なケアを勧めています。毛玉ができやすい場所や犬の負担を考え、無理なく調整してください。
Q. シェルティは毛を短く刈れば抜け毛がなくなりますか?
いいえ。毛を短くしても自然な生え替わりがなくなるわけではありません。ダブルコートの全身を短く刈ることは、皮膚の保護や被毛の再生などの面から通常は勧められません。必要性がある場合は専門家へ相談しましょう。
Q. 抜け毛が多いと皮膚病ですか?
抜け毛の多さだけで病気とは判断できません。一方、局所的な脱毛、赤み、かゆみ、元気の低下などがあれば通常の換毛と決めつけず獣医師に相談してください。
Q. 毛玉ができてしまったら切ってもいいですか?
皮膚に近い毛玉を家庭用のはさみで無理に切るのは避けてください。皮膚を傷つける恐れがあります。強く絡んだ毛はトリマーや獣医師に相談しましょう。
Q. 抜け毛対策は、ブラッシングと掃除のどちらが大切?
どちらか一方ではなく、役割が違います。ブラッシングは抜けた毛や毛玉の管理、掃除は室内に落ちた毛への対応です。無理なく続けられる方法を組み合わせましょう。
まとめ|シェルティの抜け毛は「上手に付き合う」のが基本
シェルティは、豊かなダブルコートを持ち、年間を通して抜け毛がある犬種です。季節によって抜ける量が増えることもあります。
大切なのは、定期的にブラッシングして内側の下毛まで確認すること、耳の後ろや前脚のわき、しっぽの下の毛玉に注意すること、室内の掃除を無理なく続けることです。
毛の量だけで健康を判断せず、皮膚や犬の様子に異常があるときには動物病院へ相談しましょう。
シェルティの豊かな毛並みを楽しみながら、愛犬にも飼い主にも負担の少ないお手入れを見つけていきたいですね。
参考資料
一般社団法人ジャパンケネルクラブ「シェットランド・シープドッグ」https://www.jkc.or.jp/breeds/shetland-sheepdog/
American Kennel Club「Shetland Sheepdog」https://www.akc.org/dog-breeds/shetland-sheepdog/
American Kennel Club「Is the Shetland Sheepdog a Good Fit for You?」https://www.akc.org/expert-advice/dog-breeds/shetland-sheepdog-right-for-you/
American Kennel Club「Double-Coated Dog Breeds: Care, Grooming, and Shedding」https://www.akc.org/expert-advice/grooming/double-coated-dog-breeds/
American Kennel Club「How to Choose the Right Dog Brushes」https://www.akc.org/expert-advice/health/types-dog-brushes-shedding/
VCA Animal Hospitals「Grooming and Coat Care for Your Dog」https://vcahospitals.com/know-your-pet/grooming-and-coat-care-for-your-dog
VCA Animal Hospitals「Pruritus - Itching and Scratching in Dogs」https://vcahospitals.com/know-your-pet/scratching-in-dogs








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